2008-06-18
◆第2回 「ルポ最底辺」著者の生田武志さんを通じて <野宿者支援活動>に50万円(2008年6月)

〇「ルポ最底辺」著者の生田武志さんを通じて<野宿者支援活動>:50万円

2008年6月12日、ドネーションシップ・プロジェクトの2度目の「わかちあい」を実施しました。
「ルポ最底辺」の著者である生田武志さんを通じて、<野宿者支援活動>に50万円の寄付をさせてもらいました。
生田武志さんのホームページ
http://www1.odn.ne.jp/~cex38710/network.htm
http://www1.odn.ne.jp/~cex38710/lastdate.htm

生田さんは大阪・釜ヶ崎で野宿者支援の活動を続けてこられ、学校での野宿者問題授業などにもとりくんでおられます。「ルポ最底辺」をテキストに日本のなかの貧困について考え、野宿者ネットワークの夜まわり等にも参加させてもらうなかで、2度目の寄付を決めました。
全国で3万人以上、大阪だけで1万人以上の人が野宿を強いられているといわれます。格差や働く貧困層と呼ばれる不安定就労が広がっており、野宿や貧困問題は私たち自身の問題でもあると考えます。今後も現場の生田さんとつながりながら、目の前の現実から目をそむけることなく、誰もがわかちあいささえあって生きることのできる関係をささやかでも確かにつくっていきたいです。2008年12月7日、大阪にて生田武志さん講演会を行います。
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▼生田武志さんからのメッセージ

「ドネーションシップ わかちあい」のみなさんへ
釜ヶ崎での活動へご理解をいただき、ありがとうございました。ご寄付の趣旨に添い、野宿者への支援活動に役立たせていただきます。 今回寄付していただいた50万円は、「野宿者ネットワーク」、「釜ヶ崎高齢日雇い労働者の仕事と権利を勝ち取る会」、「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」の活動で使わせていただきたいと思っています。


野宿者ネットワークの活動では、公園で生活する野宿者と行なう交流会の炊き出しの材料、冬季に夜回りで配るカイロ、寝袋など、勝ち取る会の活動では、毎週2回、釜ヶ崎の三角公園で行なう1,000食以上の炊き出しの材料、「授業づくり全国ネット」では、野宿者問題のモデル授業の研修、ビデオ教材作成などに使わせていただきたいと思います。
いずれも、貧困と差別に苦しむ野宿者へ支援に重要な意味を持つ活動になると思います。


野宿の現場で接する最大の問題の一つは健康問題です。例えば、結核は日本では「過去の病気」とされていますが、いまも釜ヶ崎の「10人に1人が結核」と言われています。原因は、もちろん栄養不足や不安定な生活、つまり「貧困」です。
釜ヶ崎の結核罹患率はカンボジアや南アフリカよりも二倍近く高く、2006年でも「世界最悪の感染地」(毎日新聞)と呼ばれています。
大阪市では毎年おそらく300人を越える野宿者が路上で死んでおり、大阪の「国境なき医師団」のメンバーは「大阪の野宿者のおかれている医療状況は海外の難民キャンプのかなり悪い状態に相当する」と言っています。
炊き出しは、こうした健康問題に対する最も直接的な対応です。医療問題へのアプローチは様々な形で行なわれていますが、「飢えをしのぐこと」が現実問題として最も重要な活動の一つとなっています。
また、凍死を防ぐための「寝袋、カイロ」も重要です。冬季に夜回りすると、寒さに凍える多くの人から「寝袋はないですか、カイロはないですか」と求められる状況が続いています。


もう一つの問題は襲撃です。特に10代の少年グループによる襲撃は絶えることなく続いています。野宿者ネットワークは2003年から大阪市教育委員会に対して「大阪市のすべての公立学校で野宿者問題の授業を行なうこと」を求める交渉を続けてきました。その中で、「校長・教頭への研修」「教員への研修」「全公立校に配布される野宿者問題の資料集の作成」「人権教育研究協議会での資料集・授業案作成」などが実現しました。しかし、求め続けている「すべての学校での授業」は実現していません。
2008年に入り、「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」という形で全国の有志に呼びかけ、「野宿者問題の授業」を実践し文部科学省に対して授業実施を交渉する団体を作りました。現在、約140人が参加し、MLなどで実現可能な企画について議論を続けています。
野宿者ネットワーク、そして「全国ネット」として、差別を解消するための教育活動に力をいれていく必要があると思っています。


野宿者は「極限の貧困」にある人々です。いま、「格差」「貧困」問題が社会的に注目されていますが、その中で、野宿者はあまり問題にされることはありません。むしろ、襲撃や排除がそうであるように、野宿者の多くが不当な差別にさらされています。
野宿者への支援活動に寄付していただいた「ドネーションシップ わかちあい」のみなさんに、重ねてお礼を申し上げます。
生田武志

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